日本の伝統酒文化を大切にしている蔵元様の哲学をお客様へ伝えること。
たとえば飲む人なら作り手の情熱と歴史の背景に思いを馳せて、酌むこと。
たとえば飲食業なら自信を持ち、店の個性としてお客様にお出しする酒を選ぶこと。
たとえば酒屋ならすべての酒を愛する人に、伝統酒文化を広めるべく努力すること。
酔うだけならば、ただアルコールという存在であれば良し。
ではなぜ人は、こうまで多種多様な「酒」に、ことさら「善い酒」に心惹かれるのか-
それは酒から立ち上る言葉では言い表せない「魅力」や「ロマン」を感じるから。
その根を辿れば、必ず太古の昔から続くわたしたち「人の魂」=「文化」「歴史」に行き当たります。
多くの知識人、文人たちが酒を愛してやまなかったのは、酒がこうした奥深い知的探求の求道であるからでしょう。
こんなにも人の人生に根を下ろし、時には喜びを与え、時には癒してくれるものが他にあるでしょうか。
酒は文化。 作られたその国々が持つ独自の伝統が醸し出された文化です。
難しい理屈を抜きにして、それを感じながら気軽に飲んでみてください。
今までと違った楽しみ方ができるはずです。
拙
作である「酒と人生」という詩には、難しい理屈は抜きにして「良い酒をゆとりをもって飲もうじゃないか」という意味を込めて作りました。
小さな酒屋のひとりごとですが私なりの「酒道」を、蒲
郡という地から誇りを持って発信しております。興味のある方はぜひお越しください。
酒の道場入門から修了まで
酒を売らない商売、と書くと「酒屋なのに?」と不可解に思われるかもしれません。
しかし私たちが持つ「酒類取扱免許制度」の意味は、元々そうしたところなのです。
- 妊娠中や病気の方が来たらどうするか→「売らない」
- 小中高生をはじめとする、未成年が来たらどうするか→「売らない」
- 転売目的など酒の扱いを間違っている小売業者・個人の方が来たら→「売らない」
これは酒を取り扱う者に求められる当然の判断で、ふさわしくない人が摂取すると事故を引き起こしかねない商品を扱う業者の義務です。
売れれば儲かれば善し、というのが昨今の風潮ですが、当店は上記の信念からこの姿勢を一貫して崩しておりません。
そもそも、
売れればよい、という酒屋には蔵元様からもそれなりのお酒しか入りません。
よしんば入っても法外なプレミアをつけての販売。
これでは仕事に誇りを持ち、真面目に酒を作っている蔵元様からの信頼を果たせません。
当店で扱う商品は、ほとんどが蔵元様との直取引です。
実際に蔵に訪れ、顔と顔を合わせて話をし、人柄、熱意を理解しあう。そうして取引させていただいた後にようやく、丸山に商品が並ぶ。当然最初は少しずつしか揃いませんが、そうしたお付き合いを長年、こつこつと続けてまいりました。
なぜそんな一見面倒なことをするか?
と問われれば私たちの「酒道」に答えがあります。
丸山の酒道とは
「日本の伝統酒文化を大切にしている蔵元様の哲学をお客様へ伝えること」
販売するだけでなく文化を継承し、お客様へ理解して頂くように努力することこそ基本方針と考えているからです。
酒造りに、伝統文化に真面目に取り組む蔵元様と心と心を通い合わせて、信頼関係を築いてひとつの商品を扱わせていただく。プレミア価値や希少価値で商売をしない。
これが酒道屋丸山の仕事です。